放課後…ー。




「失礼しまーす」


あたしは職員室に入ると、お兄ちゃんの所に向かう。
「お兄ちゃん」


「愛奈、学校では“先生 ”って呼べって言ってるだろ」


お兄ちゃんはかけていたメガネを外しながら、椅子ごとあたしの方を向く。


「はいはい、じゃあセンセー。今日は何時にお帰りで?」


「そうだな…、プリント作んなきゃないから、7時過ぎになると思う」


「了解。ご飯作って待っとく」


あたしがそう言うと、お兄ちゃんはふっと優しく笑って、あたしの頭を撫でながら言った。


「あんまり遅くなるようだったら、先食べてろ。戸締まりはしっかりしとけよ」


「分かってるよっ。んじゃあね」


「ん、じゃな」