この信号を渡れば、塾に着く。
私は駆け足で信号を渡りきった。
「あづい~~」
頭がガンガンと痛くなってきた。
もう少しで、事務室までいける。
階段をあがっていく。
足元がおぼつかなくなってきた。
ふらふらする。
あ
やばいかも。
せんせ…
先生…助けて…
最後の一段をあがったところで、事務室から誰かがでてきた。
こんなタイミングがいいわけがないと、頭の中で疑ったけど
二つの目で見たのは
まぎれもなく先生で
二つの耳で聞いたのは
先生の半分叫ぶような声だった。
“奏ちゃん!?おい、しっかりせい!!”