帰ったはずの奏美が







俺の隣で



俺の横顔を見つめている。

















「先生が泣いてたら、私、笑えないよ?」


「俺、泣いてへんよ?」


「泣いてるように見える。我慢、してるでしょ?」














我慢、してるかもな。



お前の言う通りかもしれへん。





















「俺、ずっと思ってた。


大人の苦しみは、子供には分からへんって」





「......」





「でもな、奏美。

お前だけ、ちゃうねん。


お前だけは、ちゃうよ...」





「......」





「一番俺を分かってて

一番俺を大切に思ってくれてる」





「...うん」





「だから、これからも

そばに、いてほしいんよ...。



お前無しだと、俺、生きていけへん!」





「そんなの...当たり前じゃん!先生!!

先生と離れるなんて、私だって考えられない。





ね、先生。


もっと、私を頼ってね?」
















やっぱり

お前の方が、年上なんとちゃう?




お前の方が

ヘタレな俺より、ええ女や。











成長したな、奏ちゃん。



...いや、ずっと前から、ええ女やったな。














これからも


永遠に


一緒にいてほしい。










"着いてこい!"なんて


かっこいいセリフ言えへんけど













"ずっと、隣で歩いていてほしい"
















涼汰side End