一番会いたかった人の声が、私の心にじわじわとしみた。 「奏ちゃん、こんなとこに、おったん?ハア、ハア」 息が切れている。 走り回っていたんだと気づくと 私の心は、温かくなって 同時に痛んだ。 「ごめんなさい」 「まったく、手のかかる子やなあ」 そう言った先生の目に うっすら涙が浮かんでいた。