「あっ!ちはる!」

懐が来た。わたしは、ゆっくり視線を絡ませた。

そうすると、懐は神妙な顔つきになった。

「なんかあった?」

あ、わかるんだ。懐、すごい。

「あのね、お兄ちゃんが――」

そこで、涙がぽとりと落ちた。

「死んじゃったの……」