『今現在もパティシエを?』
その声に少し俯いてしまう。
恐る恐る、日本に戻ってからの
経緯を正直に話した。
顔色ひとつ変えずに最後まで
聞いてくれた長谷川鈴江氏は
小さく何度か頷いた。
ちょうどその時にリムジンは
ある場所に到着したようだ。
運転手がドアを開ける。
『私の家よ。さぁ、いらっしゃい。』
降りてみると、更にびっくり。
大きな門構えにお屋敷のような家。
門をくぐってもまだ家までの距離を
歩く。
広がる日本庭園。
夜につれて、ライトアップまで
されてる。
池には立派な錦鯉。
ホントにこんな家ってあるんだ…。
テレビで見る億万長者の家みたい。
ハッ!!
相手はあの長谷川鈴江氏よ!!
億万長者に決まってるじゃない!!
私のバカ!!