え?乗れってこと?
すると、開いたドアからひょっこり
顔を出したのはあの長谷川鈴江氏!!
『乗ってちょうだい。話はその後よ。』
あまりにもオーラの出しっぷりに
圧倒されて素直に従ってしまった。
って、結局乗ってんじゃん!!
生まれて初めて乗るリムジンは
緊張の嵐だった。
向かい合わせに座る、私と
長谷川鈴江氏。
淡い青紫に近いような、
ロングスカートのスーツ姿に対し、
グレーのパンツスーツは
地味だったかなと後悔した。
固まる私の前で長谷川鈴江氏は
ニッコリ微笑む。
『先日は突然のお電話、驚かせちゃってごめんなさいね。』
最初にそう声をかけていただいた。
『いえ、何度も夢なんじゃないかと思ってました。』