『会計もう済んでるみた~い!』
千鳥足の朋美が戻ってきた。
あれ?修二がいない。
さっきまで座ってたはずなのに。
やっぱり飲み過ぎたんだ!
みんなが帰り支度をする中、私は
トイレに向かった。
トイレ前の通路に差し掛かると、
長椅子に腰を下ろし、
両手で顔を覆う修二の姿を見つける。
肩に触れ、『大丈夫!?』と声をかけると
修二は顔を上げ、私を見つめた。
『冷たいおしぼりもらってくるね。』
そう言って離れようとした時、
修二は立ち上がり、腕を掴まれ
抱き寄せられた。
『頼む…少しだけでいいから、このまま…』
飛び跳ねる心臓は、身体と一緒で
身動き出来ない。
どうしよう……!
どうしたらいいの……!?
わかんない……わかんないよ!