『俺……あれからちゃんと頑張ってるから。』



ポツリと正樹は言った。



『うん。今日会ってわかったよ。』



『だから………』



会話が途切れた。



わかってる。こっちを見てること。
でも、私は見れない。



真っすぐすぎる正樹の目を見るのが
怖かった。



『だから…また会ってくれる?』



『えっ!?』



『友香とはずっと友達でいたいから。』



正樹の口からそんなセリフが聞けるとは
思ってもみなかった。



ニッコリ笑って私は承諾した。



自然に笑える関係に戻れたのは、
お互いがあの頃の自分たちじゃないからだよね?



離れてみて、初めて気付けることに
私たちは気付いただけ。



それぞれに織り成す直線は、
最後の最後で交わらなかったけど、
その延長線上にあるモノを
たった今、手にしたのかな?



正樹。
ありがとう。