彼の名は、霧島 準。



長い睫毛はピクリともしない。



しゃがんでしばし寝顔に見とれる。



不思議な空間に導かれ、
まるで時が止まったかのような錯覚に
陥ってしまう。



自然と、私の手は彼の前髪に伸びた。



指が髪に触れた瞬間、彼の目は覚めた。



びっくりして上半身を起こした彼は、
まだ眠そうに目をこすりながら。



先に口を開いたのは私。



『もう授業始まってるよ?サボってたな?』



クシャッと笑う彼の隣に座った。



『はい…ゴメンナサイ。だってココ、気持ちいいんだもん。』



『アハハ。わかるけどサボっちゃダメ。』



『うん。でも見つかったのが友香ちゃんでよかったぁ~。』



『なんで!?』



『他のセンコーだったら今から説教だもん。』



『え?私も今から説教するつもりだけど?』



『えっ!?』



壮絶な顔つきで固まる彼に笑ってしまう。



『うっそ~!』って舌出したらソファー
にうなだれて『なぁーんだぁ!』と言った。