『甘いもの好きなの?』
俺がまだ笑いをこらえて聞くと、
『うーんと、食べるのも作るのも好き!』
あれ?意外。
『へぇ~。スッゲー、作れるんだ。』
『この本はね、学生時代によく見てた本なんだ。世界のスイーツが載ってるんだよ、ホラ。』
そりゃそのタイトルだからね…。
『友香ちゃん、目が本気だね。』
ハッと我に返ったのか、コホッと
咳払いをして静かに近くの椅子に
腰掛ける。
広いテーブルに1人。
奇跡的なことに周りは誰もいない。
ふと、友香ちゃんが座った席のテーブル
の上に、携帯が置いてあることに気付く。
本を見入っている友香ちゃんに
バレないよう、そっと
自分の携帯も取り出した。
これって、俺から反則行為に出たことに
なるんだろうか?
いや、そんなことどうだっていい。
俺が本能に従って行動に出ただけ。
今しかないって思ったんだよ。
もしも、ここから始まったって
言うなら、
友香ちゃんは許してくれる……?