奥の本棚でもたれつつ、本を読んでる。



パラパラとページをめくっては、
本棚に戻し、また違う本を手に取る。
それを何度か繰り返していた。



探している本と違うのか、一息ついて
一番上の段に並べてある本に手が伸びた。



思いっきり背伸びして、中指がその本
に当たるかスレスレの所で。



そっと後ろからお目当ての本を
取ってあげた。



『あ……。』



目の前に差し出された本に目を
輝かせて『ありがとう』と言う笑顔
は、反則だろ。



ホントに先生かよ。



しかも、その本って……。



俺は思わずプッと吹き出してしまう。



『この本、読みたかったんだ?』



ダメだ、笑いこらえて声が震える!



友香ちゃんは顔を真っ赤にして、
『うん…。エヘヘ。』ってマジかよ!


 
だって、その本のタイトル、
“世界スイーツ博覧会”だぜ!?