その日の放課後。
『準~!今から宏美たちとカラオケ行こうぜぇ!』
背後から翔の声がしたけど、俺の視線は
違う方向に向いていた。
『わりぃ、俺パス。今そんな気分じゃねぇんだわ。』
『えっ!?準、今日バイト休みだろ?』
『じゃあな。』
もう他の声は聞こえない。
だって俺は、今さっき図書館に入る
友香ちゃんを見たから。
体が勝手に動き出す。
スタスタと歩いて、時に小走りで。
もうそこしか見えてなかった。
図書館の扉を開いて、中に足を進める。
友香ちゃんを探すのにそう時間は
かからなかった。
あ、居た…!