年が明けて、冷たい風が身にしみる頃
“合格”という二文字が準の手元に届いた。



『やったぁ!合格した!』



ガッツポーズを見せる準に、
笑顔で『おめでとう』と言った。



はれて、準は春から教育学科の大学へ
進学する。



『みんなでお祝いしといでよ』と
残り少ない友達との時間を優先させた。



準のいない間に、着々と留学準備は
進んでる。



朋美と修二に2月下旬にはパリへ
留学することを伝えた。



かなりびっくりされたけど、2人とも
背中を押して応援してくれてる。



卒業式まであと1ヶ月半をきり、
その間に少しずつまとまっていく
荷物を見て、準は寂しそうに
後ろから私を抱きしめてきた。



『時々、たまらなく不安になる。俺の中に、自分が2人いて、ホントは離れたくなくてパリには行くな!って言ってる俺と、友香の夢が1日でも早く叶うように全力で応援してる俺がいる。』