修二の出発は午後0時。
私は立ち上がった。
どうしても譲れないことって、
生きてるといくつかの場面で出くわす。
きっと今がその時なのかも…。
3時間目に入っていた授業を2時間目
に切り上げてもらった。
授業が終われば、急いで支度して
車に飛び乗る。
行き先は空港。
ここからじゃ30分以内で着く。
混んでないことを祈って…!!
溢れかえる人ごみの中、修二の姿を
探して走り抜ける。
時刻は午後11時を回ったところ。
お願い!!間に合って…!!
『修二……!!』
今まさにベンチから立ち上がった
後ろ姿が目に入る。
彼はやっぱり修二だった。