精一杯私は微笑んだ。
君も微笑んでくれたね。
時々教室や廊下で目が合うと、
優しく目を細めてくれる。
今は一番後ろの席だからって
ジーッと見つめられるのは気が引けるけど。
結局避けても、元の関係に戻れても
君を意識している。
危険信号が点滅してるのに気付かない
まま、渡ろうとしてるのかな。
無邪気に笑う君や、真剣な表情の君。
どれも他の生徒と変わりないのに
たまに目で追いかけてしまう私はもう
手遅れなのかな。
『友香ちゃんバイバイ。』
帰り際、手を振ってくれる。
そうだね。それでいい。
君は大勢いるうちの1人。
もう自分に言い聞かせるほどの
ことではないのかも。
君が守ると言った約束を、
私も守ることにしよう。
もう少し、もう少しだけ。
先生でいさせてね……。