ドスッという鈍い音とともに２人は
倒れる。
またしても、あの時と同じような
シチュエーションになってしまった。
『ご、ごめん!!』
慌てて体を起こす。
『大丈夫だよ。相変わらずおっちょこちょいなんだから。だから目離せねぇんだよ。』
『う、うん…。ごめん。』
ハイって落とした参考書を拾ってくれた。
『ったく、避けたりすんなよな。』
『えっ…!?』
今度は軽く小突かれた。
『普通に接してよ。前みたいに。』
周りを気にしながら小さな声で言う
から、頷くしかなかった。
ニッコリ笑うその優しい笑顔に
やっぱり私は翻弄されてくのかな…。
