ケーキは翌朝、図書館で渡す約束をした。
玄関先まで見送る。
今度こそ、ホントにバイバイ。
靴を履いて、立ち上がる君は、
精一杯気丈なフリをして。
『まだ、夢から覚めてないかな!?』
『え……!?』
君の手はもう私の腕を掴んでる。
ゆっくりとまた身を寄せ合って。
『今までで一番最高の誕生日だった。』
『そう……?ならよかった。』
少し体を離して再び見つめ合う。
また顔が近い。
案の定、唇は重なって
私は受け入れる。
拒む理由が見つからなかった。
ダメだ……どこかで一線引かないと
ズルズル引きづり込まれてしまう。
自らを奮い立たせて、私から
唇を離した。