それをプロのパティシエではなく、
無名のパティシエールである私の作る
ロールケーキを食べたいという
人が居る。



それが、散々舌も肥えているであろう
料理研究家の
あの長谷川鈴江氏だなんて…!!



『ありがとうございます。是非、作らせていただきます。』



ニッコリ笑ってくれた後。



『あなたの夢は何?』



と聞かれたから、ハッキリ答えた。



『自分のお店を出すことです。』



昔も今も、それだけは絶対変わらない。



今はまだまだその過程の中に居るけど



いつか必ず掴んでみせる。



『安心したわ。あなたには秘められた可能性がある。まだまだ積まなければならない技術があるけど、磨けば必ず一流のパティシエールになれるわ。』



ただ、声に出して言えるのは
『ありがとうございます』の一言だけ。



思いも寄らない言葉に
正直、リアクションに困る。



そこまで言っていただける意味が
わかんない…!!