でも、幸也の言っている事は正しかった。

加那は昔から気が強くて、物事もハッキリ言う女。

鼓には、それが無い。

可愛らしい言葉使いが印象的なメールしか打ってこない。

まだ会って話さない限りは分からないかも知れないけど、俺は勝手にそう思い込んでいた。

「バレちゃ駄目っすよ、田邊さん。」

不適な笑みを浮かべた幸也の頭をひっぱたき、黙々と仕事をこなして行く。

いつの間にか、仕事が終わる時間になっていた。