「いた!!こら響、だめでしょ。一人で走ってっちゃ…ごめんなさい本当に、何かご迷惑…あれ?」 黒いワンピースを着た、その子の母親を見て…俺は固まった。 昨日の、あの子。 「昨日もここで…お会いしましたよね?」 微笑みを浮かべて、見た目とは裏腹なほど意志の強い眼差しが俺の目を射ぬいた瞬間だった。