前日よりは暑くなかったけれど、日射しが強い昼下がりだった。

現場に着いて機材を下ろし仕事の準備を進める。

現れない

車も止まってない

居ない…

『良かった』そう思う反面、残念だと思う自分が居た。

時間は経っていくし、仕事も終わって行く。

「さあ事務所戻るかあ…」

幸也にそう声を掛けた時、小さな女の子が機材の横から顔を出した。