「飯」

「うん。」

振り返った嫁に、昼間見た『あの子』を重ねてしまった。

口から心臓が出るかと思うほど…

「どうしたの?」

淡々と夕飯の用意をしながら、顔を覗きこまれた。

「いや、何も」

缶ビールを一気に飲み干した。