「なんれふか?」


「っお前、口に詰めこみ過ぎ(笑)変な顔になってるぞ!」


なっ変な顔って!


「むぅ!」


「ハハッ」


私はすぐにフランクフルトを飲み込んだ。


「先輩、笑い過ぎです!」


「やっ悪い。はー…」


はー…って、どんだけ笑ってんの。


ひどくない?






「フッお前はまったく飽きない奴だな。」


先輩の手が私の頬の方にのびてきた。


「ケチャップついてる。」


そう言って、先輩は自分の親指で拭いペロッと舐めた。


―――ドキッ


……まただ。


前にも同じような思いをした気がする。






「どうした?そろそろ花火始まる頃だし、行くぞ?」


「あっはい!」


さっきのはなんだったんだろう……


まぁ、いっか。


今はとりあえず、先輩と花火を見ることにした。


花火は、次々と色んな色の花火が打ち上げられた。


でも、打ち上げられた花火が消えていくのが寂しくも感じた。







‐杏子side‐

あれから何日かたち、今日は梢ちゃんと家でお勉強です。


…なのに、心がモヤモヤしてあまり集中できていない。


「うーん……」


「どした?杏子。」


「なんか、モヤモヤする。」


「問題解けないからじゃなくて?」


「違うよー……」






ひどいなー、頑張って解いてますよ。


「いつから?」


「んー、花火大会あたり?」


いや、もうちょっと前か?


「屋台で変なもん食べた?」


「普通にりんご飴とかフランクフルトだよ?」


「えー?……あ、待てよ」


ん?何1人でぶつぶつ言ってんだ、梢ちゃんは。






「そのモヤモヤって、考えると生徒会長出てくる?」


…えっ!?


「うん!何でわかったの?」


「そういうことか……」


そう言って、梢ちゃんは私を見ながらニヤニヤしていた。


な、何……?


「つまり、杏子は生徒会長が好きってことなんだね♪」


……は?






「何でそうなるの?」


私があのドS生徒会長を?


あり得ないよ、そんなの。


「杏子は自分の気持ちにも疎いんだね。」


「いやいや。」


そんなこと言われても。


「じゃあ、これから言う質問に答えてね?」


「…?うん。」


なんだろう…






「会長を見るとドキドキする?」


「…うん。」


たまに出るあの優しい笑顔とか。


「会長といて、ホッとする時ある?」


「…うん。」


頭を撫でられた時とか、遊園地で助けてくれた時とか……


「たまに胸が苦しくなる時ある?」


「…うん。」


最近ちょっとそんな感じだし……






「はい、分かりました。それは完全なる恋です!」


……えっ?


「……恋?」


「うん!杏子は会長のことが好きなんだよ!」


「…まさか~」


「だって、モヤモヤするんでしょ?ドキドキするんでしょ?」


「…ん、まぁ。」


確かにそうだけど……