私はその日、時間が経つにつれて
辛さが増すばかりだった。

廊下ですれ違う子がみんな私に向かって
「元気でね。またいつか会おう。」
って言うんだもん。

私は今から知らない子達ばかりの
学校に行く。
私もみんなと一緒に卒業したかった。

「森さん。ちょっといい?」
私は委員長に呼びだされた。

「今日で最後だね。寂しいけど森さんと過ごした時間は絶対に忘れないから♪これはみんなで作ったの。森さんへのメッセージ集だから読んでね。」
渡されたメッセージ集はとても分厚くて
表紙も手作りでとても時間をかけてくれたとよく分かる。
1ページ目を何気なく開いてみると
そこには担任の先生からメッセージが。
そしてその次のページからは
みんなからのメッセージや私の似顔絵。
最後のページには思い出の写真が
貼ってあった。
私は涙がこぼれてしまった。
「ありがとう。私はもしこの学校のみんなが私の事を忘れても絶対に私だけはみんなの事を忘れてないから!!」
と、私は泣きながら言った。

「誰も紗耶香ちゃんの事忘れたりしないよ。」
そういって私の側に来たのは
桃・美紀そして耕大くんだった。

「もう二度と会えないわけじゃないじゃん?」
耕大くんはなんでこんなに落ち着いているんだろう。
でも私はそんな耕大くんの言葉にほっとした。

「私遊びに来るから!!みんなも遊びに来てね?待ってる。」
そうして私はこの学校を去った。

私は何度もありがとうと言った。

桃ちゃん、美紀ちゃん。
いつも一緒にいてくれてありがとう。

そして耕大くん。
私に優しくしてくれてありがとう。
初恋相手があなたで良かった。
これからも大好きです。

私は新しい町へと向かった。