綺麗な髪の毛は無くなっていて
可愛くてプルプルしていた唇は
青白く、綺麗な肌もカサカサで
パッチリしていた目も今では
半開き。
とてもじゃないけど同一人物だとは
思えない。
「澤田さん…?」
「・・・? もしかして、森さん?」
そう言った澤田さんの声は細く
震えていた。
「こんな姿でごめんね?」
そう言い澤田さんは無理して笑って
いる。
「この事ときくんは…」
「知ってるよ。毎日病院に通って
くれてる。でもときどき私の前で
つらそうな顔をしてる。」
「…」
「私もう限界なのかもしれない。」
「そんな事っ!!」
“トントンッ”
「里菜ー?お花持ってきたわよ。」
「お母さん。ありがとう。」
「あら?お友達?」
「サッカー部の津田くんとマネージャー
の森さん。」
「あら。わざわざありがとう。」
澤田さんのお母さんはとても澤田さん
と似てて綺麗な人だった。
そして澤田さんのお母さんは
病室を後にした。
「あのね!西高と戦える事になったん
だよ!」
「わあ。すごいね♪私も見たかった。」
澤田さんはとても悲しそうな顔を
していた。
私達はしばらく話していたが
明日も学校だし帰る事にした。

“ガラガラッ”
病室を出ると近くの椅子に澤田さんの
お母さんが座っていた。
すると私達に向かって深々とお辞儀を
してきた。
「ほんとに来てくれてありがとう。
あの子ね…友達がいないのよ。それを
私は心から心配してたの。だけど今日
あなた達が来てくれて嬉しかった。
実はあなた達にお願いがあるの。」

私な澤田さんのお母さんから頼まれた
お願いを受け入れることにした。

それには津田くんも納得した。

ただ…澤田さんのお母さんが見えなく
なると私は涙がとまらなかった。


「あの子…明日から病室が変わるの。
もう個人部屋になる。もう時間がない
の。だからどうかお願い!西高との
試合を見にいけないかわりに生中継で
ビデオをとってそれをパソコンで流し
てほしいの!それから…ときくんに
たくさんのありがとうを伝えて下さい
(泣)」

私達にできる事はこれぐらいしか
ないんだ。