こんなにも必死な由樹斗先輩は
はじめてだった。
ただすぐに監督からストップが出た。
それを聞いた瞬間、由樹斗先輩の目か
らは涙が溢れだした。
それを見た津田くんは急に立ち上がっ
た。
「監督。俺が出ます。」
「でも、お前はドクターストップが
かかってるだろ!!」
「はい。でもほぼ完治してますしこん
な状況の中見てるだけなんて俺には無
理です。」
話を聴いててわかった。
津田くんがあんなに試合出れなくて
つらそうな顔をしていた理由を…
ただ監督はそんな津田くんを試合に
出すと言った。
「由樹斗先輩。俺に任せて下さい。」
「ごめんな涼太(泣)俺情けねーよ。」

そして津田くんは顔つきを変えて
フィールドに出た。
「涼太…大丈夫かな。」
美紀はとても心配そうにしていた。
ただ…私達には祈る事しか出来なかっ
た。
試合はなかなか決着がつかなかった。
だけど残り時間5分。
津田くんは勝負に出た。
ボールを持った津田くんは次々と相手
を交わしていく。
「あいつ…どこにあんな体力残して
たんだよ。」
みんなはびっくりしていた。
そして津田くんはシュートを決めた。
“ピーッ!!”
これで1ー0。ただ最後まで喜ぶ事は
出来なかった。
だけど無事に試合が終わった。
「涼太あ!!むちゃくちゃかっこよかっ
たよー♪お疲れ様♪」
そう言い美紀は津田くんにタオルを
渡す。
「ありがとう♪」
その美紀に対して笑顔を向けた。
私はみんなにスポーツドリンクを
配っていた。
「ちょうだい。」
津田くんが来た。
「あ、はい♪お疲れ様♪」
「サンキュー♪これで西高に行ける
な!!耕大を潰してやる!!」
「こぅちゃんを潰しても意味ない
でしょ(笑)」
「まあ確かにな♪(笑) 今日耕大に
報告しに行こうか♪」
「そうだね♪」
これで西高に…
ただなにもかもがうまくいってる
わけではなかった。

私と津田くんはその日の事を報告
ついでに澤田さんの様子を見ようと
澤田さんの入院している病院に
行った。

そこにいた澤田さんは私達が知っている
澤田さんじゃなかった。