なんだかんだで私はいつも津田くんに
助けて貰ってばかり…津田くんには迷
惑かけないようにしなくちゃいけない
のに…なのに津田くんに助けられてい
る…。
「は?津田が口出しすんなよ!」
「先輩はマネが俺たちの為にどんだけ
頑張ってくれてるか知らないんですか
?ぶっちゃけ俺ら部員よりもしんどい
はずなのに…そんなマネに対してそん
な口きけないと思いますよ?先輩。」
「うっせーよ!とりあえずさっさと飲
みもん入れてくれよ!」
「あ!はい!!」

「津田くん…ありがとう。」
「は?なんのお礼だよ(笑)早く用意し
ないとまた怒られるぞ?(笑)」
「あ!うん!ほんとにありがとう♪」
私は走って先輩の水筒にスポーツドリ
ンクを入れて他の子の分も確認した。
そして美紀と2人で忙しくしていると
監督から号令がかかった。

「いいな?中南に勝てる率は五分五分
だ!ただお前らが諦めずに頑張ったら
その分結果はついてくる!絶対に中南
に勝て!そして絶対に西高と戦うんだ
!」
「はい!!」
ただでさえ勝てるか勝てないか危うい
相手なのに相手はまだレベルを上げて
きている。だから前の中南ではない。
大北も前よりレベルアップした試合を
しなければならない。
津田くんベンチだった。
「ねえねえ。なんで涼太ベンチなの?
ぶっちゃけ涼太はレギュラーとれるぐ
らいすごいのにさー。」
あれ?美紀が津田くんの事を“涼太”
って呼び捨てしてる…いつから?
ただ…その台詞に対しての津田くんは
いつもと違っていた。
「井上には関係ない。」
「え…あ、ごめん。」
津田くんなんかあったのかな…
試合は前半0ー0のまま終わった。
ハーフタイムのとき…
「無理すんなって!!」
みんなが騒いでいた。
私はその人だかりに言ってみると
真ん中に由樹斗先輩が座りこんでいた。
よく見ると由樹斗先輩の足は異常なほ
どに腫れ上がっていた。
本人の額からも尋常ないほどの汗が
流れている。
「由樹斗むちゃすんなって!!」
「うるせー!!俺が出なかったら誰が
出るんだよ!!誰もいねーだろーが!!」