「ごめんな、紗耶香。」
「耕大くんはいつから美紀が好きだったの?…」
「紗耶香、俺は井上の事好きなんかじゃ
ないよ?俺が好きなのは紗耶香だけ…だからこのストラップだってお互いつけてるじゃん。」
耕大くんはポケットから携帯を取り出し
私にストラップを見せてきた。
「だったら…どうして抱き合っていたの?」
「井上…ときと別れたんだろ?それがつらかったみたいで、悩みすぎて駅で倒れたんだよ。そこを通りかかった俺がその話を聞いて…井上むちゃくちゃ泣き出してさ。井上が少しだけ胸貸してって言ってきたから俺の胸の中で泣いてたわけ。」
「そっか…」
「それでも胸なんて貸すもんじゃないよな…ごめんな?」
「私こそ…変な誤解しちゃってごめんなさい。」
「そういえば紗耶香…さっき涼太からメール来たけどマネ辞めたんだってね。」
「うん。」
「マネが嫌になって辞めたんじゃないんだろ?紗耶香の事だからなんか理由があるんだろ?」
「美紀の事とかあって私もマネしづらくなっちゃったの。」
「そっか。でも紗耶香?俺はあんな大変なマネをしてるって聞いたとき心配な面もあったけどすごく嬉しかったんだ。だからもう1回頑張らない?俺ももっともっと頑張るから♪」
「私…マネージャーしたい。」
「うん!頑張ろ♪」
耕大くんはそうして帰っていった。
私は耕大くんの背中が見えなくなるまで
手を振り続けた。
耕大くんの背中が見えなくなると私は
ホームへ向かう…
ー大好き、大好きずーっと待ってるー


さっきバイバイしたばかりなのに
もう会いたい。
寂しいよ…。

“ギュッ”
突然後ろから抱きつかれた。
ゆっくり振り向くとさっきバイバイした
ばかりの耕大くん。
「耕大くん!?どうして…」
「もう暗いし送っていくよ♪」
「送って行くって…私の家遠いんだよ?」
「それでも紗耶香といたいから♪」
「…こぅちゃん、大好き♪」
私達また抱き合った。
それから手を繋ぎ電車にのった。
愛しい耕大くんが私の隣に…
「さっきの“こぅちゃん”っていいね。」
「え?」
「今まで呼ばれた事ないかも(笑)だからこれからは“こぅちゃん”って呼んで♪」 「わかった♪(笑)」
気づいたら一人だとあんなに遠く感じるのにもう家…