すると部室の扉が開いた。
「遅れてごめんなさい!」
「澤田さん…」
「あ!まだ言ってなかったけど今日から
サッカー部のマネージャーになりました 、澤田 里菜(さわだりな)です!」
「よ、よろしくね♪」


「頑張ってね澤田さん。私は今日でマネ 辞めるから。」
そう言い荷物を片付けだす美紀。
「ど、どうして井上さんやめるの?やっぱそんなにサッカー部のマネってきついの?」

“バンっ!!!”
美紀は自分の使っていたロッカーを思い切り蹴った。

「井上さん?ど…どうしたの?」
「まだわかんないかな?あたしはあんたが入るから辞めるの!あんたが嫌いだから辞めるの!それが理由よ!」
「…」
美紀は何も言わなくなった澤田さんを見ると自分の鞄を持って部室を飛び出した。
「相変わらず私むちゃくちゃ井上さんに嫌われているね。」
「あのさ…嫌われてるって分かってたならどうして美紀がいるのにマネになったの?」
「ときくんの側にいたいから。ただそれだけだよ?」

「私さ…そんな中途半端な気持ちでマネする子とやっていく自信ないんだけど…」 「え?」
「そんな理由なら辞めてくれない?」
美紀を傷つけた子なんかと一緒に
マネする自信なんて私にはない。
だから私は澤田さんにきつい言葉を
かけたんだ。
私はそう言いジャージに着替えて
グラウンドに出た。
美紀を追いかけたかったけど
時間がない。

そしてときくんの横へ言った。
「ねえ。どういうつもり?」
「え?」
「ときくんは澤田さんがマネになること知ってたの?」
「うん。」
「ならどうして私らに言ってくれなかったの?美紀の辛さがわかる?」
「…」
「なんで黙るのよ、ときくんが美紀を想う気持ちなんてその程度だったんだね?」
「俺は真剣に美紀が大好きだった…」
「今更そんな言い訳しないでよ!ときくん最低。二度と私と美紀に近づかないで!」
そう言い私は監督のもとへと走った。

「監督…」
「なんだ。」
「言いづらいんですけど私と井上は今日限りでマネを辞めさせていただきます。」
「!?…どうしてだ。」
「理由は…言えないです。すいません。」
「そうか。森、お前ははこのサッカー部をどう思った?」