しかも私のマネ始めた理由は
全て耕大くんに関する事…。
だから余計に言えないんだ。
耕大くん…ごめんね?

「そうなんだ。」
「大北高と西高が対戦できるように
お互いがんばろ♪って言っても私が
するんじゃないけど…。」
「マネのおかげで…っていうのも俺
はあると思うよ♪俺そういうの憧れ
てたし♪」
「耕大くんも大北高に入れば良かっ
たのに…」
「そうだね♪でも俺は西高に入って
後悔はしてないよ。」

その後話は途切れた。

「俺この前告られた。」
「え?」
どうしていきなりそんな事言うの?
私の気持ち知っててひどいよ…
「相手は咲。」
サキ…懐かしい響きだった。
「あいつ西高の隣の女子高に入った
からしょっちゅう会うんだ。で、
この前告られた。」
「…そうなんだ。」
「でも俺言ったよ?もう大事な人が
俺にはいるからって。」
「え?…」
嬉しくて…でも突然すぎてびっくり
して言葉が出なかった。
「耕ちゃん…会いたいよ…。」
コウちゃん…はじめて呼んだ。
ずっと私だけの呼び方っていうのが
ほしくて考えたんだ。
「俺も…紗耶香に会いたいよ。」
なんでだろ…涙が出てきた。
悲しくなんかないのに…
「明日も帰りは今日と同じぐらい?」
「うん、多分。」
「なら明日駅で待ってる♪だから
会える?」
「うん♪」
「じゃあまた明日♪」
そう言い電話をきった。
耕ちゃんってあんなに声低かった
っけ?…
すごいドキドキした。
明日会える…
そう思うと私の足はキッチンへと
向かっていた。

「どうしたの?何するの?」
「クッキー作るの!」
「はあ?なんで今から?」
「耕ちゃんに作るの♪」

耕ちゃんの大好きなクッキー。
私は丁寧に丁寧ににクッキーを
作った。

次の日…

「おはよう、美紀♪」
「おはよー♪あれ?その紙袋なに?」
「今日ねー耕ちゃんに会うの♪」
「岡本に?ラブラブだねー♪」
「えへへ♪」
「お♪涼ー、おはよ!」
「おす。」
津田くんはなんだかムスっとしていた。
「あたしねー、涼と仲良くなったんだよ♪」
「そうなんだ♪良かったね!」
「あとね、あたしときと別れた。」
「え?! どうして?…」