中に入るとお母さんは突然
アルバムを出してきた。
「ちょ!お母さん!いきなり何を出し
てきてるの!」
「いいじゃんいいじゃん♪見て見て
津田くん♪」
お母さんったらとても笑顔で
アルバムを津田くんに見せる。
「あ、耕大だ。」
「え?津田くんって耕大くんと仲いい
の?」
「俺と耕大は親友なんで。」
「へぇ♪紗耶香はねー耕大くんが小さい頃から大好きで今も耕大だけを待ってるのよー。」
「やっぱり(笑)」

え…やっぱり?
やっぱりってどういう?
私、津田くんになんも言った覚え
ないんですけど…

「だって紗耶香分かりやすいし(笑)」
「え!?」
「顔に書いてるもん(笑)耕大の事好きですって(笑)」
「書いてないし!!ってか呼び捨てするな!」
「紗耶香怒っても怖くないわ(笑)井上が怒ったらすごい怖いけど…」
「美紀の事はなんで呼び捨てしないの?」
「だから言ってるじゃんか、井上は怖いんだって。」
なんか津田くんってはじめて会った
頃より話やすくなったよなー。
相変わらず無愛想だし可愛げないけど
なんだかんだで困っている人を
助けたり悩みきいてあげたり…
きっとこれが津田くんの優しさなんだね。

「じゃあ俺そろそろ帰ります。お邪魔しました。」
「またいらっしゃい♪」

家の前でお見送りをして家へ
入って携帯を開いたら
1件の着信が…
全然知らない番号だ。
だけど…私は電話をかけた。
「もしもし?」
「あ、あのー。」
「いきなり電話したりしてごめん。俺だよ?耕大。」
「こ!耕大くん!」
「びっくりさせてごめんね。」
「いいけど…いきなりどうしたの?」
「理由ききたくて…」
「え?」
「サッカー部のマネになった理由。」
「理由?理由は…」
「だって紗耶香はサッカーあんま興味ないのにいきなりマネになるとか…大北高のサッカー部に気になる奴でも出来たのかなって思ってさ…。」
「私は何があっても耕大くんを待ってるって決めたから。だからそんな理由じゃないよ♪でも…理由は言えないな。」
私はいつか耕大くんに褒められるぐらい
すごいサッカー好きになりたいから…
耕大くんの笑顔がみたいから…
そんなしょうもない理由もあるなんて
ばれるなんて恥ずかしすぎる。