「ごめん、紗耶香。」
「ううん、こっちこそごめん。」
「でも耕大には知られたくなかっただろ?」
「…。」
私は何も答えることが出来なかった。
「俺さ、分かってるよ?紗耶香が
昔から…ってか今でも耕大の事が
大好きなんだって事。でもそれは
俺も一緒で昔からずっと紗耶香だけを見てきた、諦めようとしても諦められなくて…。」
分かってる、康平がどれぐらい私を思ってるか。
でも…私の中で耕大くんを越える人なんてこれからも絶対にいない。

「でもさ、紗耶香…俺は紗耶香に幸せになって欲しいんだ。紗耶香が幸せならそれでいいんだ。だから…今から耕大追いかけても追いつくよ。」
「え?…」
「耕大まだ近くにいると思うよ♪」
康平は笑顔だけどどこか寂しそうな
顔をしていた。
「ほら!!いっておいで♪」
そう言うと康平は私の背中を押した。

私は何も言わず走り出した。

必死に走った。

「ちょ!!紗耶香どこ行くの?」
美紀の声も耳に入らないぐらい必死で走った。

耕大くんは同じサッカー友達と
小さな雑貨屋にいた。

「耕大くん!!」
私が呼ぶと耕大くんは驚いてこっちを
見た。

「紗耶香ちゃんどうしたの?」
「私ね!こ、耕大くんに話したいことあるんだ。」
「話?ってか康平は…」
サッカーの友達は私に気づいて
離れたとこに行ってしまった。
「私ね?幼稚園のときからずっとずっと耕大くんだけを見てきた。それは今も同じなんだ。わ、私は耕大くんが大好きです!私と付き合ってください。」
気づけば私はなぜか涙が出ていた。
耕大くんは私の涙を拭った。
「紗耶香ちゃん?俺さ、サッカーが大好きなんだ。多分今はサッカーより大事なものなんてないんだ。でもね?俺、紗耶香ちゃんと久々に再会したときドキってしたんだ。正直俺はそのとき悩んでた。でもね?結局はサッカーのほうが大きかったんだ。俺何が言いたいか分かる?」
「…私なんかよりもサッカーのほうがいいっていう意味でしょ?」
そう言うと耕大くんはすごい真剣な顔をして私に言った。