私が席に戻るとテントの下に座ってる
耕大くんと目があった。
耕大くんはすごく心配そうな顔を
していた。


次のプログラムは6年リレー。
やっと耕大くんたちが出る。
やっぱり耕大くんはアンカーみたい。
耕大くんが走ってるとき
ほんとに真剣な顔して走ってて、
「かっこいい・・・」
って台詞がつい出ちゃう。

お昼休みになると・・・
「紗耶香!!一緒にご飯食べない?」
ってお弁当を持って美紀が言った。
「ごめん!!耕大くんに誘われてて。」
「了解♪頑張れよー。」

しばらくすると耕大くんが来て
私達は中庭へ言った。
「なんか耕大くん変わったね。」
「え?どんなとこが?」
「前よりももっと大人になってる。」
「そうかな?で、紗耶香は向こうで
好きなやつとか出来たか?」
「そんなのいないに決まってるじゃん」
「そうか。」
「耕大くんは?好きな子できた?」
「ずっと前から、3年のときから好きなやついる。」
「そうなんだ。どんな子?」
「なんかほっとけない。」

いいよな。
耕大くんにほっとけないとか言われて。
「そうだ!!私今日、耕大くんが好きなクッキー作って来たんだよ♪」
「まじで!?食べたい食べたい!」
クッキーを食べると耕大くんは、
「あのさ、この昼休みのあとに騎馬戦あるんだけど俺のことちゃんと見てて。」
「分かった。」
なんか耕大くんってあんまり
笑わなくなったなぁ。
前はもっと笑ってたのに。
耕大くんの笑った顔が見たいな。

「俺さ・・・。」
「うん?」
「いや、やっぱなんでもない。」

昼休みが戻ると耕大くんは走って
またテントの下へ戻っていった。

「岡本と何話したの?」
「!! 美紀ちゃん。」
「2人でいたんでしょ?」
「うん。騎馬戦頑張るから見ててって言われた。」
「ふぅん。あたしちょっと岡本のとこ行ってくるわ。」
「え?あ、うん。」