まずは応援合戦だった。
耕大くんが出てきた途端すごい歓声が。
「相変わらずすごい人気でしょ?岡本。」
「琴音ちゃんはやきもちやかないの?」
「やきもちもなにも私とっくに振られてるしねー。」
「え?」
「去年に咲が岡本に告白したら振られたの、それで私が告白しても振られた。岡本は“ごめん。琴音はいいやつだけど俺守りたいやついる。まだ守ってやれないけどいつか俺が守ってやるって決めてるから”って言ってた。」
「耕大くん・・・好きな人いたんだ。」

すごく胸が苦しかった。
こんな気持ちはじめてだ。

応援合戦が終わると耕大くんは走って私のとこまで来た。
「あのさ、俺このあともいろいろする事があって忙しいんだ。だから昼休み2人で話たいから空けといてくれない?」
「分かった♪」
「じゃ見ててな紗耶香。」
そう言うとまた走って戻っていった。
また“紗耶香”って言った。

私はトイレへ行った。
「あなた岡本先輩のなんなんですか?」
「え?」
入り口のほうを見るとそこには明らかに耕大くんの事が好きそうな後輩の女の子が3人いた。
「私はただの友達だよ?私転校してそれまでは仲良かったの。」
「嘘だ!!彼女なんじゃないの?岡本先輩はみんなのものなのに!!」
「!!・・・あのさ、耕大くんはものじゃないよ?」
「どうせあんたも岡本先輩が好きなファンの1人なんでしょ?おとなしく見ときなよ。」
そう言うと私は1人の子に押しとばされた。
「イタッ!!」

「あんたら何してんの?」
「井上先輩!?なんでここに?」
「あたしの親友がトイレに行ってなかなか戻って来ないから心配で見に来たのよ。あんたらこんなとこ岡本に見られたらどうする気なの?この子はあたしと桃と岡本の大事な友達だからいじめたら岡本黙っていないよ?」
「井上先輩!!この事岡本先輩に、」
「言わないから早くどっか行ってくれる?」
美紀・・・怒ってる。
「あたしが気づいたんじゃないよ?岡本が紗耶香がいないから見てきてって言ったから探しに来たの。」
「そう・・・なんだ。」
「早く戻るよ?」
耕大くんってほんとスーパーヒーロー
みたいだな。