話し掛けてみたら?
サラッとそんな事言う夏樹。
「む、無理だよっ。」
「えー?どうして?」
「だって…知らない人に急に話しかけられたらビックリするじゃん。」
「んー。まあね。」
クスクス他人ごとみたいに笑う夏樹。
まあ実際他人ごとなんだけどさ。
話し掛けて、みる。
考えもしなかった。
もし、私が話し掛けたらあの人はどんな反応をするだろう。
笑ってくれる?
無愛想な反応?
それとも無視?
…。
無視されたら私、へこむ。
「何時頃彼、公園に来るの?」
「んー。だいたい夕方6時くらいから8時頃までかな。」
「長いね。ヒマなのかな?無職?」
「さあ、でもスーツだし。」
「就活中とか?」
「うーん、あり得るかも…。」
どんどん想像だけが膨らんでいく。
ねえ、
名前、なに?
何歳なの?
誕生日は?
どこに住んでるの?
仕事は?
どうして毎日そこにいるの?
聞きたいこと、いっぱいある。
君のこと、もっと知りたい。