とりあえずどうする事も出来なくてただそこから動かずそいつを見つめる。
まじで寝てるし。
……あ、寝返りした。
「…………は…。」
また、ドキッとした。
顔をこっちに向けたそいつは、
寝顔、まで
優奈にそっくりだった。
小さく開いた口に長いまつげ
…多分、顔自体、似てるんだろうな
「……………なんだ…こいつ」
このまま襲われてもしらねーぞ、って言いたくなるくらい無警戒な寝顔。
そして襲ってしまいたくなるくらい、愛しい人に似た顔。
このまま…
だって、無防備なこいつが悪い。
1人暮らしのくせに男をあげたこいつが悪い。
簡単に寝顔を見せるこいつが悪い。
………優奈に似てる、
こいつが、悪い。
…………や、まじ無理だって。
こいつは優奈じゃないし。
知らない女だし。
それに絶対抵抗するだろうし。
そんなのをムリヤリすんの、俺の趣味じゃないし。
「……はあー…。」
頭をぐしゃぐしゃにする。
そろそろ起きてくんねーかな。
「ちょっと…起きてください。」
あー…やべ。
営業部の奴なら上手に敬語喋れただろう。
敬語を話すなんて普段しないから、少し照れくさい。
…ま、初対面だし、いきなりタメ口きかれてもな。
「………ん…。」
また、ドキッとした。
そいつが起きた。