優奈がいる。


勘違いをそのまま頭は認識したのか、思わず話しかけた。


このへんは、あまり記憶にない。


…ただ、

優奈みたいに、

暖かくて、小さくて、いい匂いがした。



こんなに温もりがあるのに



「………なんで…?」


どうして

消えるの?


なんで、俺の前から無くなるの?


やっと優奈を幸せにできると思った。

気持ちが通じて、優奈を守ると決めたのに。

神様にはかなわなかった。


神様が俺の手から優奈を奪った。


どうして、なんて


みっともなく縋るつもりもないけど


もう、俺には何も残ってないよ。


両親も、いらない。


感謝してるのは、このスタイルとルックスをくれたことだけ。



最後に1つくらい

残してくれたって罰は当たらないんじゃないか、…って。



優奈だけが欲しかった。


もう何も望ましい。


優奈が欲しい。


今も変わらない。


むしろより一層、優奈だけでいいのに





…もう、手に入らない。




一番欲しいものは、手に入らない。





願うことも、もう、かなわない…