「あの受付の愛美ちゃんと〜丸山〜出来てるらしいよ〜。くっそ、愛美ちゃん結構気に入ってたのにさ〜。まじ有り得ないから〜。丸山のくせに〜。」
大分酔ったのか葵はそんなことをペラペラ喋りながらひたすら肉をつつく。
久しぶりにこんなに葵が酔ったところ見たな。
…って俺も大分アルコールまわってるんだけど。
頭がポーっとする。
久しぶりに。
やっぱり洒落たバーとかで飲むより、同僚とこんなとこで飲む方が、楽しいのかも。
「へー、丸山って意外とさー、やるねぇ、愛美ちゃんだっけ?…センスねーなー」
「本当それだ〜。丸山よりさ〜…、俺の方がだんっぜんいい男、らよ…?」
…………やばい。
頭がボーっとする。
それから、気づけば、公園にいた。
ちょっと、寝てた?
ん…、まだ頭、ポーっとする。
あー…、でも夜風が気持ちいい…。
空を見上げれば
あの日と同じ、月が綺麗だった。
「…………優奈」
久しぶりに、名前を呼んだ気がした。