疑問を持ちつつもそれを青木さんに渡す。
青木さんはそれを少し眺めたあと、ソファーから立ち上がった。
「それじゃあ。」
「あ、ま、待って!」
……………思わず引き止めてしまった。
青木さんは無表情で私を見る。
………怖い。
でも
…いや、これでいい。
だってまだお話ししていたい。
「なにか?」
「あ、の、このあと忙しいですか?」
「はい。忙しいです。」
……………う。
こんなに即答とは思わなかった…………。
地味にショックを受けた。
忙しいなら無理に引き止めることも出来ないし
どうしよう。
嫌われる事も出来ない…。
そんな私を見て青木さんはまた小さくため息をつく。
そして言った。
「嘘です。暇です。」
「え…?」
「だから、暇だって言ってんの」
ポカンとする私を見て青木さんは髪の毛かきあげてソファーに座った。
やばい。
大人の色気だ。
かっこよすぎる
「えと、ヒマ?な、の?ですか?」
「そう。もう敬語もやめよ。ダルいし。」
そう言ってネクタイを緩める仕草は誰が見てもきっとドキドキする。
「………敬語使い慣れてなさそうだったですもんね。青木さん」
「………………。」
つい可愛くない事を言ってしまったらまた睨まれた。
…怖い。
でも朝みたいに冷たい視線じゃなくて、もっと、なんて言うか、大丈夫な感じ。
…意味分かんないか。
「で?なに?俺に何か用事?」
「へ?何で?」
「は?引き止めたのあんただろ」
…………青木さんって、俺様?