視線の先には、おにーちゃんに後ろから抱き付く夜のお仕事風な格好をした綺麗な女の人。



仕事帰りにしては遅い気もするけど、そんなのあたしには関係ない。



大きく目を見開いたあたしは、目の前の光景をただ真っ直ぐ見つめていた。



満面の笑みを浮かべながらおにーちゃんに抱き付く女の人。



本当に嬉しそうにその人をギュッと抱き締めるおにーちゃん。



見たくもないのに体が言うことを聞かない。



流れ始めた景色が2人を消すまで、あたしは窓の外を見つめ続けた。