「あっ!おにーちゃんだ!!」



向かいのホームには手ぐしで髪を整えるおにーちゃん。



前髪が気になるのか、そこばっかり直してる。



「なんか…うん。かわいいなぁ…」



でも、けたたましく鳴り響く、発車を知らせるベルとプシューと閉まるドアを横目に、クスクスと小さく笑みを零した…瞬間。



「あっ…」



あたしは自分の目を疑った。