2度目の失恋は小学5年生の時。



おにーちゃんは17歳。



その日はおにーちゃんの高校の学園祭。



おにーちゃんのクラスの催し物は白雪姫の劇でおにーちゃんは7人の小人の内の1人。



劇も無事終わり、後は約束通りおにーちゃんと出店を回るだけ。ワクワクしながら待ち合わせの場所に着いた時、あたし、見ちゃったんだよ…ね。



おにーちゃんの目線の先には白雪姫役の女の子。
2、3度呼んでも気づかないぐらい、あの子に見惚れてたっけ。



今思えば初恋なんてきっと終わってたと思う。でも初めて見た赤い顔したおにーちゃんが知らない人みたいで、すごく遠い人に感じて…。あたし、ショックでその場から逃げ出しちゃったんだよ…ね。



ただがむしゃらに走って、着いたのは誰もいない屋上。



汗びっしょりのおにーちゃんに見つかるまで3時間。あたし、1人で泣いてたっけ。