「じゃ、後はネクタイ締めて…っと、寝癖はっけーん。」



ピョンと跳ねた前髪を手ぐしで直すおにーちゃん。



「黒髪…」



「ん?」



「黒髪、やっと馴染んできた…ね。」



「あぁ。」



複雑そうな笑みを浮かべるおにーちゃんの横顔を見つめながら、あたしはニッコリと微笑んだ。