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「待たせて悪かったな」
私達に遅れること30分。話題になっていたその人の声が聞こえた。
そう、 声 だけ。
目の前に居る人をじっ、と見る。
燃えるような赤色の髪。
そしてそれと同じ赤色の瞳。きっとカラーコンタクトだ。
こんな知り合いは居なかったはずなんだけどな。
それより、今、奏の声が聞こえたような気がしたんだけど。
「えと......。どちら様でしょうか?」
私は思わず目の前の人に尋ねた。
「まさか、分からないのか?」
よく見ると、見たことあるような、無いような......。
「小野寺ですが?」
..................!
「嘘おおおおおぉぉおおぉぉおおっっっ!!」
閑静な住宅街に私の声が響いた。