そんな話を4人がしていた頃。男2人は、未だに黒猫本部に居た。
「なんだよ話って」
「なぁ、奏」
「ん?」
「少し聞きたいことがあってな。あの棗の話はしたのか?」
いつになく、真剣な表情と声色で聞いてくる咲夜にあの話の内容はすぐに分かった。「折り入って話がある」って、このことか。
「前にも言ったけど、棗からその話をしない限り、俺は何もする気はない。それにどうやら徳佐も知っているらしいしな。1人で抱え込んでいるわけじゃない。問題ないだろう」
「でも、その話が、双子にもばれたらどうするんだよ。今、腹を割って話をつけといた方が棗のためなんじゃねーの?」
(ごめんなさい、お母さん)
ーーー暗く、重たい棗の過去。
「お前みたいにに勘がいい情報屋じゃないんだから、そう簡単に気付きはしないだろう」
「でも、万が一ってことがあるだ「じゃあ、お前は、言えるのか?
棗の、あの過去を」