階段を登り終えると、長方形の石がたくさん並べられたような場所に着いた。 ……そう。 墓場だ……────。 朝の5時なんて… 当たり前に人はいない。 暗い中、雨に打たれる墓石たちを見て、少しだけ背筋がゾクッとした。 そして、歩んでいた足を、ある石の前で止める。 涙がジワリと滲んだのがわかった。 「───な、ち……」 会えたね…… やっと、 会えたんだね……? ────…那智。 【雲から愛の涙】