ユキにフラれてから一週間がたった。



その日は珍しく雨が降った。
だから二人で相合い傘でもして帰ろう、だなんてノンキな事を考えてたんだ。
7月にも関わらず、俺の身体は冷えきっていたのを覚えている。

あとは…どうやって家に帰ったか覚えていない。


あの小さな唇から


体育館のバスケットコートを背景に、別れを告げられた。












ただ、それだけの事なのに。


それだけなのに…。

俺の時間は止まったように感じられる。

これから夏休みなのに遊ぶ気がしないだなんて重症だと自分でも思う。



------おかげで終業式の最中だというのに騒ぐハルキとショーヤに

…今日は話しかけたくない。

なんて思いつつも、校長が話しの途中で「えー」と、呪文のように唱えるそれを数えている自分の冷静さに、少し、驚いている。




そう、世界は俺の感情なんて関係なく周り続けている。
俺の失恋だなんて、そんな事にも目もくれずに動いている。

もちろん、俺がどんなに祈っても、受験は冬にはあるし、夏期講習も逃れる事はできない。