「私は美優ちゃんが隼人のことを好きになってくれただけで満足よ。こういうことは私たちがとやかく言うことではないわ。なるようになるわよ。私たち大人は二人の恋を温かく黙って見守るだけでいいじゃない。ね?」


おばさんは、最後はあたしに「ね?」と微笑んできた。


「だけど、今頃隼人………どんな顔をしているのかしら………。フフフフ………」


おばさんはなぜか急に笑い出す。


「ねえ、早苗。隼人が今どんな顔しているのか見に行かない?」


「いいわね、それ。こんなおもしろいこと滅多にないんだもん。デジカメも用意しなくちゃ!」


お母さんたちはキャピキャピと大人にあるまじき程にうれしそうに浮かれながら、さっさとリビングを出て行ってしまう。


おばさん………今、さっき黙って見ているって言ってたのに………。


これは干渉することにはならないの?


あまりの2人の勢いに押され、止めることもできなかったあたしの耳に玄関のドアが閉まる音だけが響いた。