「どう? 久しぶりによっていかない?」
「えっ?」
うれしい申し出なんだけど、あたしは無意識のうちに隼人の部屋を見てしまう。
おばさんは、そんなあたしの目の動きも捉え、フフフ…と笑う。
「大丈夫よ。隼人なら、今寝ているから」
「寝てる? こんな時間にですか?」
時刻はまだ5時にもなっていない。
さすがに、この季節だから日が翳るのも早いけど、それでも、早すぎでしょ。
「ここ最近、疲れてるみたい。今日なんて、帰ってきた途端に『寝る』って、部屋に入っちゃったから」
「そう………なんですか…」
疲れてるって…そんなに香取さんとデートしまくってたりするのかな?
やだやだ、すぐにこうやってネガティブに考えちゃう。
今日は決めたんだから!
それに、このままだと家に入れてもらえない。
「だから、隼人のことは気にしないで。さあさあ、おばさん、美優ちゃんとのお茶、楽しみにしてたんだから」
あたしが悶々と考えている間に、おばさんはあたしの腕を引っ張ると強引に家の中に連れ込んだ。